SpO2 の伝え方
◆1 なぜSpO2を計測する意味があるのか?
◆2 SpO2の値が90%が基準になる理由は?
◆3 SpO2測定の注意点はなんだろうか?
今回は簡潔に掘り下げてみます。
まず前提として
定義:血液中のヘモグロビンのうち、酸化ヘモグロビン:HbO2 の比率のことを
酸素飽和度(SpO2)と言う。
◆1 なぜSpO2を計測する意味があるのか?
結論 : ①運動強度の目安
◆2 SpO2の値が90%が基準になる理由は?
SpO2が90%を切る
→ 呼吸不全を表し、自律神経症状の出現し始め、
リハビリの運動強度に注意が必要 となるため。
では、
→酸素飽和度が落ちると何が起こる?
→酸化ヘモグロビンが減少する。
→つまり 酸素を手放しやすくなっている
→なぜか?
→
① 筋組織の酸素需要量が増大 + それに見合う酸素供給器官の虚弱
運動強度が高すぎる。
② 気道、肺病変などにより酸素の取り込みが阻害
問題点
CO2分圧の管理観点においてSpO2は指標になるのか?
◆CO2ナルコーシスの判別は?
①重症呼吸性アシドーシス
②意識障害
③自発呼吸の減弱
の3条件を満たす症候群である。
COPDなどで SpO2が低下 + ナルコーシスの症状が出るとき
→まず低酸素血症の予防 O2の投与を優先する。
頸動脈小体はO2 を感知
延髄の呼吸調節中枢はCO2を感知
延髄に存在する「中枢化学受容器」は主にPaCO2 の上昇によって刺激される。
→その興奮により呼吸が促進される。
https://www.jspm.ne.jp/guidelines/respira/2016/pdf/02_01.pdf
→O2吸入で抹消受容器への刺激が減ると呼吸が抑制される
→呼吸動態が正常に見えても、CO2排出を促すリハビリが必要。
◆3 SpO2測定の注意点はなんだろうか?
・20-30秒後の値を読み取る
・体動に注意
・抹消循環の状態把握 など
SpO2の注意点 基礎 引用↓
https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/guidelines/pulse-oximeter_general.pdf
<引用>
・第4章 呼吸不全と換気異常 ~ ナースフル疾患別シリーズの看護師基礎知識 ~
◆メモ
安静時の全身でのO2消費量は約250ml / min
↓
全血の酸素含有量 は 20ml / dl
↓
つまり、約5L / min の安静時心拍数で必要な酸素が供給可能
(一回拍出量 60-80ml ✕ 心拍数 60-70回 / min)
◆チアノーゼ が蒼白になる理由
結論:デオキシヘモグロビン(酸素を乖離したヘモグロビン)が暗赤色のため。
粘膜や皮膚が青く見える
つまり、酸素ヘモグロビンが多く存在している→明赤色
デオキシヘモグロビンが多く存在している →暗赤色
定義は デオキシヘモグロビンが 5g / dl 以上になること。